小説のタイトルの決め方!41作品を分析・分類してみた!
小説のタイトルの決め方は、人それぞれで、確立したメソットがないので、迷われる方も多いでしょう。
実際、正解はないので自由に決めて良いのですが、個人的にいくつかポイントがあるように感じています。
この記事では、小説のタイトルの決め方について考察したいと思います。
※ 例として出す 41 作品は僕が読んだものなので、ほぼ大衆文学でジャンルも偏っています。
小説の執筆ツール作ってます!
近日公開予定です。圧倒的に使いやすいツールを目指しています。公式LINEを登録していただければ、ツール完成時にお知らせします。
この記事の目次
小説のタイトルは超重要な理由
タイトルは 1 番最初に目に付く箇所で、そこで何か感じてもらえるかで手に取るか・読んでもらえるかが決まります。
本屋に行ったとき・Amazon で本を探しているときのことを考えてみてください。買うと決まっているものがない場合、下記のような行動になりませんか?
- タイトル / カバー / 帯などを見て一瞬で(無意識に)判断
- 興味があれば目次 / 冒頭 / あとがきなどを読んでみる
- 口コミが気になればチェックする
- 購入
タイトルを見る時間は 1 秒もありません。その一瞬で興味付けしないと、手に取ってもらえません。
小説の話しではありませんが、ホリエモンが『ゼロ』を出した際、秋元康さんは『このタイトルだと 50 万部だな』と言ったそうです。どんなタイトルだったら、どれくらい売れたかはわかりませんが、秋元さんもタイトルはとても重要な要素だと思っているようです。
小説のタイトルを決める際の 5 つのポイント
個人的に思う、小説のタイトルを決める際のポイントを紹介します。
読んでもらいたくて小説を書く方は、自分も読書好きな方が多いでしょう。ぜひ、『自分が読者だったら』という目線で考えてみてください。読者目線は超重要だと思います。
- なんとなく内容が分かるか
- 興味付けができているか
- 読了後にしっくりくるか
- 検索した際に自分の作品がヒットするか
- 読みやすいか・リズムが良いか
なんとなく内容が分かるか
本屋にも Amazon にも大量に本があります。その中から手に取ってもらうには、なんとなく内容が分かる&興味があるジャンルであることが重要かなと思います。
有名な小説家であれば、既にファンがいるので、『秘密』や『告白』のようなタイトルでも買う人はいるでしょう。無名の小説家の場合は、手に取ってもらえないかと思います。
僕は社会派小説をよく読むので、下記のタイトルなんかは興味がわきます。
- 希望が死んだ夜に / 天祢 涼 (著)
- あの子の殺人計画 / 天祢 涼 (著)
感動したい気分な時は、下記のようなタイトルも興味がわきませんか?
- 余命 10 年 / 小坂 流加 (著)
コンテンツが大量にある昨今、"わかりやすさ"は重要だと思います!
興味付けができているか
興味付けにも色々なパターンがあると思いますが、『気になる!』と思ってもらえるタイトルにするのは重要だと思います。
例えば、下記のタイトルなんかは、『どゆこと?』『気になる!』となりませんか?
- むかし僕が死んだ家 / 東野 圭吾 (著)
- スマホを落としただけなのに / 志駕 晃 (著)
自分がつけたタイトルを客観視して、興味が持てるか考えてみると良いですね!
読了後にしっくりくるか
- なるほど、だから〇〇ってタイトルなのか
- このタイトルはこの作品にぴったりだわ
読了後にこのように思える、納得感も 1 つのポイントかなと思います。
読んでる途中(できれば終盤)に、『あーだからこのタイトルなのか!』と気づくパターンも個人的には好きです。
納得感があるタイトルは作品に対する印象も良くなります。
読了後に考察したくなるようなタイトルも良いですね!
検索した際に自分の作品がヒットするか
出版を考えると、検索した際に自分の作品だけがヒットするタイトルにするのも重要だと思います。
例えば、『52 ヘルツのクジラたち』のように他に使われていないタイトルにすれば、検索結果を自分の作品関連のページで独占できます。『手紙』のように一般的に使われる言葉だと、自分の小説とは関係ないページで埋まってしまいます。
また、既に同じタイトルで出版がないかも気にすると良いでしょう。
機会損失にならないタイトルか?は気にするポイントですね!
読みやすいか・リズムが良いか
英語で読みにくいタイトルやリズムが悪いタイトルは避けた方が良いでしょう。逆に、『なんか言いたくなるタイトル』や『略称が付くようなタイトル』にできれば良いです。
君の膵臓をたべたい / 住野よる (著)
👉 略称:キミスイ
読みにくくないか?リズムが悪くないか?チェックしよう!長いタイトルは略称が付けれれば最高!
小説 41 作品のタイトルを 9 タイプに分類してみた
手元にある 41 冊の小説のタイトルを分類してみました。
- 絶対〇〇なやつじゃん系
- 意味がわかって納得する系
- あれこれ考察される系
- 終盤に意味が分かる系
- シンプル系
- 舞台を入れる系
- 肝となるシーンを入れる系
- なんとなく想像つく系
- 興味を引く系
重複しないように無理やり分類しているものもあるので、異論があるかもしれませんが、参考程度にどうぞ!
① 絶対〇〇なやつじゃん系
- 殺人依存症 / 櫛木理宇 (著)
- 死刑にいたる病 / 櫛木理宇 (著)
- 殺戮にいたる病 / 我孫子武丸 (著)
- 余命 10 年 / 小坂 流加 (著)
殺人依存症 / 死刑にいたる病 / 殺戮にいたる病
👉 絶対サイコなやつじゃん
余命 10 年
👉 絶対感動するやつじゃん
そのジャンルが好きな方にとってはわかりやすくて良いです。
② 意味がわかって納得する系
- 52 ヘルツのクジラたち / 町田そのこ (著)
52 ヘルツの鯨は、正体不明の種の鯨の個体である。その個体は非常に珍しい 52 ヘルツの周波数で鳴く。この鯨ともっとも似た回遊パターンをもつシロナガスクジラ[1]やナガスクジラ[2]と比べて、52 ヘルツは遥かに高い周波数である。この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、その鳴き声は 1980 年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきた。「世界でもっとも孤独な鯨」とされる。 wikipedia より引用
52 ヘルツのクジラは、↑ このようなクジラなのですが、町田そのこさんの小説を読むと、序盤で『だからこのタイトルか!』と思います。
③ あれこれ考察される系
- 君の膵臓をたべたい / 住野よる (著)
- 向日葵が咲かない夏 / 道尾秀介 (著)
- 流浪の月 / 凪良 ゆう (著)
- 博士の愛した数式 / 小川洋子 (著)
- 八日目の蝉 / 角田光代 (著)
- ファーストラブ / 島本 理生 (著)
- ソロモンの偽証 / 宮部 みゆき (著)
このタイトルの意味はなんだったんだろう?と疑問が残り、考察したくなるのも良いタイトルだと思います。
『ソロモンの偽証』であれば、ソロモンは誰のことを指していたのだろう?みたいなことです。実際にネットの記事を見ると意見は分かれているようで、話題を生む効果もあります。
④ 終盤に意味が分かる系
- シャドウ / 道尾秀介 (著)
- 罪の境界線 / 薬丸 岳 (著)
- 半落ち / 横山秀夫 (著)
読んでいてタイトルの意味が分かる系の小説は多いですが、特に終盤でわかるのが個人的に好きです。
⑤ シンプル系
- 告白 / 湊かなえ (著)
- 手紙 / 東野 圭吾 (著)
- 秘密 / 東野 圭吾 (著)
- 爆弾 / 呉勝浩 (著)
- ある男 / 平野啓一郎 (著)
- 時生 / 東野 圭吾 (著)
前述した通り、有名な小説家だからできるタイトルかもしれません。
⑥ 舞台を入れる系
- スワン / 呉 勝浩 (著)
- 十角館の殺人 / 綾辻行人 (著)
- 黒い家 / 貴志 祐介 (著)
- 阪急電車 / 有川 浩 (著)
- マスカレード・ホテル / 東野 圭吾 (著)
舞台が固定でほぼ動かない場合などは、その舞台をタイトルに入れることも多いです。
⑦ 肝となるシーンを入れる系
- 流星の絆 / 東野 圭吾 (著)
- 1R1 分 34 秒 / 町屋良平 (著)
肝となるシーンや象徴的なシーンをタイトルにするパターンです。
⑧ なんとなく想像つく系
- あの子の殺人計画 / 天祢 涼 (著)
- 嫌われ松子の一生 / 山田宗樹 (著)
- 希望が死んだ夜に / 天祢 涼 (著)
- 神さまを待っている / 畑野 智美 (著)
- 天使のナイフ / 薬丸岳 (著)
『絶対〇〇なやつじゃん』とまではいかなくても、なんとなくこんな話しだろうなと想像がつくのもわかりやすくて良いタイトルと言えるでしょう。そのジャンルが好きであれば、手に取ってもらえる可能性は高まりそうです。
⑨ 興味を引く系
- むかし僕が死んだ家 / 東野 圭吾 (著)
- ぼくは明日、昨日のきみとデートする / 七月隆文 (著)
- スマホを落としただけなのに / 志駕 晃 (著)
- #真相をお話しします / 結城真一郎 (著)
- まだ人を殺していません / 小林由香 (著)
- 変な家 / 雨穴 (著)
- 変な絵 / 雨穴 (著)
- コンビニ人間 / 村田 沙耶香 (著)
興味を引くには、疑問を残すことや先が気になることが重要です。
また、長期的に考えるとリスクはありますが、トレンディーなワードを使うのも良いかもしれません。『#真相をお話しします』はハッシュタグが SNS 時代っぽいですね。
まとめ
タイトルの付け方は正解がなく、本当に難しいですが、読者目線で考えると、下記の 2 点が重要だと思います。
- 一瞬で興味を持たせる
- 納得感がある
前者は手に取ってもらうために、後者は読んだ後の満足感のために重要だと思います。
池袋ウエストゲートパークの著者である石田衣良さんが、『今まで読んだ小説の書き方本の中で 1 番出来が良い本』と YouTube で紹介していた、ベストセラー小説の書き方では、35 個もタイトルを考えるそうです。プロの方も悩んでるんですね。(ベストセラー小説の書き方の著者はプロの小説家)
ちなみに、この記事で紹介した小説のタイトルの中で、個人的に1番好きなのが、『52ヘルツのクジラたち』です!👍
小説の執筆ツール作ってます!
👇 こんなツールを作っています!
- 本編の執筆 / 資料作成 / プロット作成 / 人物設定などをまとめられる
- とにかく使いやすさにこだわったツール
- まずはデスクトップ版を公開予定(スマホアプリ版も開発予定)
とにかく圧倒的に使いやすいツールを目指しています。
近日公開予定です。ツールの詳しい機能は下記の記事からご覧ください。
圧倒的に使いやすい小説の執筆ツール作ってます!
興味を持っていただけましたら、ぜひLINEの登録をお願いします。公開時にお知らせします。※ 余計な連絡などはしないので、ご安心ください!
Twitter(@cwstudio2023)も始めました。リリースまでは、進捗などを更新します。
\ 記事をシェアする /
シェアしていただければ
励みになります!
個人的に思うタイトルの決め方のポイントやタイトルのタイプについて書きました!👍